エドガー・ケイシー探究記

エドガー・ケイシー研究者 光田 秀が伝えたいこと

ケイシー療法による血友病のケア

血友病は、性染色体Xに存在する血液凝固因子が欠落あるいは活性低下を起こす遺伝病で、血液が凝固しないために、ちょっとした怪我でも大量の血液を失う可能性のある遺伝病です。X染色体を2本持つ女性が発病する可能性は低く(また発症しても症状は軽いことが多い)、血友病の大半は男性になります(日本人の5000人から1万人に1人といわれる)。ケイシーの時代には致死性の遺伝病と考えられました。

現在は、遺伝子組み換え型の血液凝固製剤が開発されているために、凝固を維持することが可能になっていますが、この遺伝子組み換え型の血液凝固製剤がきわめて高額で、しばしば社会問題として論じられています。

エドガー・ケイシーは3人の血友病患者にそれぞれ1件ずつのリーディングを与えています。一人は0才の男児で、体のあちこちに青黒いアザが出来ることから調べたところ血友病であることがわかりました。残りの二人は女性で、一人は30才(リーディングによれば原因は親が二重いとこ結婚のため)、もう一人は40才で、いずれも軽度の血友病の症状を呈していました。

重度の血友病をわずらう0才の男児には、かなり特殊な治療法が指示されました。

1.「血のプディング(blood pudding)」と呼ばれる料理を食べさせる。
2.ウエットセルによって、体内に金、樟脳、アトミダインの波動を送り込み、肝臓による血液凝固成分の産生を促す。

リーディングを読む限り、これらの治療によって、血液凝固成分が産生されるようになるようです。
「血のプディング」は欧米で昔から作られている料理のようで、国によって作り方にいくつかバリエーションがあるようですが、ケイシーは次のような作り方を勧めました。

挽肉にした子牛のレバー半ポンドと、カップ半分の量の血(これは、肉屋さんにお願いして、レバーを挽肉にする時に出てくる血を取っておいてもらう)を用意。縦横6インチで深さ2インチのフライパンを用意し、それにバターを塗る。 レバーを塩で味付けし、クルミサイズのバターを加える。 溶かしてレバーとよく混ぜる。そうしたなら、レバーに血を注ぎかける。 オーブンで約10分ほど焼く。

これを0才児であったために、週に3回、1回につき(可能であれば)小さじ1杯程度摂らせるように指示しました。
ウエットセルによる波動療法に関しては、

金の波動は胸椎9番に、樟脳は胸椎2-3番に、アトミダインは腰椎4番に装着するよう指示しました。
残念なことに、この0才児の父親(親の代からの大きな資産を相続した資産家)が「最高の医者に診てもらっているのに、なぜインチキに耳を傾ける必要があるのか」と言って、ケイシーのリーディングを無視してしまいました。

なので、この治療法の有効性は不明ですが、研究に値するリーディングであると思っています。
肝臓の疾病には、レバーを(できるだけ生に近い状態で)食べさせるというのは、リーディングでしばしば指示される方法でもあります。
この情報がどなたかの福音になりますように。

参考のために、リーディングの全訳を掲載しておきます。

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ケイシー:よろしい、われわれはその人をここに捉えた。

われわれの見るところ、体内に構造的な成分あるいは形成成分が不足した状態が存在しており、それがために、この人を取り巻く人々に不安と混乱を引き起こしている――(血管)壁を作り出す成分が血液中に不足し、動脈壁と静脈壁に必要な抵抗力が不足している。

そのために、アザを作ったり、怪我をすると、血液が斑点をつくったり、塊を作ったりするのである。

血の塊や斑点が形成されて、完全な凝固力が不足するのはまだ良いが、凝固力が不足しているところに、さらに必須のエネルギーとしてのビタミンB1複合体とビタミンGの活動力から生じるエレメントを(分泌腺の諸力や活動に)作り出す成分が不足するのはあまりよろしくない。そして、治療が必要なのは、この点である。
われわれの見るところ、食事法として指示されているものはとても良好である。 ただし、われわれとしては、規則正しく「血のプディング」(*原注)を少量与えることを追加する。 必然的に、年齢からして、毎週3回程度、ごく少量を与えることが必要になる。 小さじ1杯でも摂らせることが出来たら、上出来である!
(*原注) [作り方は次の通り。挽肉にした子牛のレバー半ポンドと、カップ半分の量の血(これは、肉屋さんにお願いして、レバーを挽肉にする時に出てくる血を取っておいてもらう)を用意。縦横6インチで深さ2インチのフライパンを用意し、それにバターを塗る。 レバーを塩で味付けし、クルミサイズのバターを加える。 溶かしてレバーとよく混ぜる。そうしたなら、レバーに血を注ぎかける。 オーブンで約10分ほど焼く。]

しかしながら、われわれは毎日、この体に諸元素の影響力を弱い形で組み合わせたものを波動的に施すことにする。これによって、投与したエレメント(「血のプティング」のことか? )から、これらの障害を矯正するのに必要な諸力を、分泌腺が取り出せるようになる。

われわれが意味しているのは、ウエットセル装置による低い電気的波動のことである。 これで、ある日には金を、翌日には樟脳を、さらに翌日にはアトミダインという具合に切り替えながら施す。 この治療は、約20分ほど施す必要があり、ある日に1つ行い、翌日に1つ、さらに翌日に1つ、という具合に行う。
このようは波動は、次のような、低い電荷によって作る必要がある。
  硫酸銅……半ポンド
  硫酸(試薬級)……1オンス
  亜鉛……15グレイン
装着は、次のような割合で行うこと。

最初の日には、金を用いるが――小さい銅プレートは胸椎9番に装着し、大きいニッケルプレートは、ここを金溶液(濃度は塩化金1グレインを1オンスの蒸留水に溶かしたもので、少なくともこれを3オンスは使用する)が波動的に通過するのであるが、臍乳び管中枢のところに装着する。つまり、臍から指の幅3本分右のところで、ちょうど肝臓の下の辺りで、乳び管中枢――大きな管中枢――のところである。

翌日は、樟脳を使用するが――小さいプレートは腕中枢のところ、つまり胸椎の2番と3番のところに装着し、大きい方のニッケルプレートは、ここを樟脳(市販の濃度の樟脳精を3オンス)が波動的に通過するのであるが、これもまた、前の日と同じように、臍乳び管中枢のところに装着する――(2オンスの樟脳と1オンスの蒸留水)。
(訳注:この樟脳精は濃いように思う。というか、1オンスの蒸留水に2オンスの樟脳は溶けないと思う。なので、ケイシー療法で普通に使う10パーセント濃度の樟脳精2オンスを、1オンスの水で希釈するということかと思う。)

翌日は、アトミダインを使用するが――小さい銅プレートは腰軸に装着し、大きいニッケルプレートは、ここをアトミダイン(1オンスのアトミダインを2オンスの蒸留水に混ぜる)が波動的に通過するのであるが、これもまた、前日と同様に、臍乳び管中枢のところに装着する。
そのような仕方で、装着部位と溶液を切り替えながら続ける。

このような(溶液と装着部位の)バリエーションは、身体諸力を流れるこのごく微弱な電流によって形成される波動と、臓器そのものの身体活動に対する、身体の原子構造のバリエーションに応じて生じるものである。

そして、これによって、摂取した食べ物から、あらゆる諸力の神経線維の構造部分の抵抗力を造るのに必要な成分を、より良く同化吸収することが促進されるのである。 活動と構造はこの諸力を通して発達するのである。
これらの組み合わせがこの人のために用いられている間は、いかなる疾病のための注射も行ってはならない。

当然ながら、他の薬効成分を内服させてはならない。 ここで指示したように、波動的に吸収するもの、吸収するであろうものの方が、この体には助けになるだろう。
クラップス社(Clapp’s)製のベビーフードの方が良い。

ただし、週に3回くらい、血のプディングを食べること。できれば、子牛のレバーから作ったものが望ましい。
それを実行せよ。
質問を受け付ける。
今回はこれで終わる。
(2832-1 生後10ヶ月の男児)